資産運用初心者の方が始めやすい制度として、「iDeCo」や「NISA」などの言葉を耳にすることが多くなりました。いろいろな金融機関のパンフレットやホームページでも、「iDeCo」や「NISA」の案内と共に、資産運用の基本として、「長期投資」「分散投資」が有効であることが紹介されています。
しかし、いざはじめて見ると「なかなかできない長期投資」。。。
ここで「長期投資」に注目してみましょう。左のグラフは、投資信託の平均保有期間の推移です。(2018年9月26日 金融庁:投資信託等の販売会社における顧客本位の業務運営のモニタリング結果について)
2017年の主要銀行、地域銀行、主要証券の平均保有期間はなんと2.43年!!驚きの短さです。
平均保有期間が短い販売会社へのモニタリングによると、「資産形成の経験者や、投資未経験者においても、長期投資の有効性を理解してもらうことは容易でなく、市場動向を見て損益を確定する投資行動をなかなか抑止できない」とされています。「長期投資」が良いという情報は広がっていても、実際はそれが実行されていないのが現状のようです。
要因1:投資の成功は「安く買って、高く売る」!?
投資の成功は「安く買って、高く売る」!?という間違った理解。とっておきのタイミングがわかれば苦労はありません。値動きがあると「ほったらかしでじっと耐える」という行動は、非常に難しいことかもしれません。長期で保有するものと、短期で売買するものを区別して管理することが大切です。
要因2:投資信託購入時に長期投資についての説明が不足。
「長期投資」の考え方が日本で広がってきたのは最近のこと。相談するたびに、新しい投資信託を勧められて購入する、ということが一般的でした。投資信託を売る方にも、「長期投資」が有効であるという認識がない場合もあるかもしれません。
要因3:思いつきで行動してしまう。
頭でわかっていても、なかなか合理的に行動できないのが人間です。下落時の心理状態などを事前に想定し、継続できる情報を入手しておくことが大切です。